おせち料理には家族の幸せを願う意味が込められている
お正月になると食卓に並ぶ「おせち料理」。
黒豆や数の子、栗きんとん、えびなど、普段の食事とは少し違う料理が重箱いっぱいに詰められています。
実は、おせち料理の具材にはそれぞれ意味があり、「一年を元気に過ごせますように」「家族みんなが幸せに暮らせますように」といった願いが込められています。
この記事では、おせち料理を食べる意味や代表的な具材に込められた願いを、子どもにもわかりやすく紹介します。
お正月に家族で食卓を囲みながら、「この料理にはどんな意味があるのかな?」と話してみてください。
1. おせち料理とはどんな料理?
『おせち料理』は、新しい年を迎えたことを祝い、家族の健康や幸せを願って食べる日本の伝統的なお正月料理です。
① お正月に食べる特別な料理
「おせち」という名前は、季節の節目を意味する「節(せち)」に由来するとされています。
昔は季節の節目に神様へ食べ物をお供えし、その料理を「御節供(おせちく)」と呼んでいました。
やがて一年の中でも特に大切なお正月の料理を「おせち料理」と呼ぶようになったとされています。
② 家族の幸せを願って食べる
おせち料理には、健康、長寿、子孫繁栄、豊作、金運など、さまざまな願いが込められています。
子どもには、「おせちは、今年も家族みんなが元気で幸せに過ごせますように、とお願いしながら食べる料理なんだよ」と説明するとわかりやすいでしょう。
2. おせち料理を重箱に詰めるのはなぜ?
おせち料理といえば、何段にも重なった『重箱』を思い浮かべる人も多いでしょう。
実は、『重箱』にもお正月らしい願いが込められています。
① 「幸せが重なりますように」という意味
おせち料理を重箱に詰めるのは、「めでたいことや幸せが何度も重なりますように」という願いが込められているためとされています。
家族の幸せが一度だけではなく、これからも続いてほしいという気持ちが表されているのです。
② 重箱の段数や詰め方は家庭によって違う
おせち料理には三段重や四段重などがありますが、地域や家庭によって段数や料理の詰め方は異なります。
最近では、一段のおせちや洋風のおせちなども増えています。
形にこだわりすぎず、家族みんなで新年を祝うことを大切にするとよいでしょう。
3. おせち料理の代表的な具材に込められた意味
おせち料理には、料理の名前や形、色などにちなんだ願いが込められています。
ここからは、代表的な具材の意味を見ていきましょう。

① 黒豆|元気に過ごせますように
『黒豆』には、「まめに働く」「まめに暮らす」という言葉にかけて、健康で元気に過ごせるようにという願いが込められています。
子どもには「今年も元気いっぱいに過ごせますように、という意味だよ」と伝えるとわかりやすいでしょう。
② 数の子|家族が代々続きますように
『数の子』はニシンの卵です。
たくさんの卵が集まっていることから、子どもや孫へと家族が続いていく「子孫繁栄」を願う料理とされています。
子どもには「家族がこれからもずっと続いていきますように、という願いが入っているんだよ」と説明できます。
③ 田作り|食べ物がたくさん実りますように
『田作り』は、小さなカタクチイワシを甘辛く味付けした料理です。
昔、イワシを田んぼの肥料に使ったところ豊作になったことにちなみ、『五穀豊穣(ごこくほうじょう)』を願う料理になったといわれています。
子どもには「お米や野菜がたくさん取れますように、というお願いが込められているんだよ」と伝えるとよいでしょう。
④ 栗きんとん|豊かに暮らせますように
『栗きんとん』の鮮やかな黄金色は、金色の宝物をイメージさせます。
そのため、金運や豊かな暮らしを願う料理とされています。甘くて食べやすいため、子どもにも人気のおせち料理の一つです。
⑤ えび|長生きできますように
『えび』は、加熱すると背中が丸く曲がります。
その姿を腰が曲がるまで長生きしたお年寄りに見立てて、長寿を願う料理とされています。
また、長いひげも長寿を連想させるといわれています。
子どもには「おじいちゃん、おばあちゃんになっても元気でいられますように、という意味だよ」と伝えられます。
4. まだある!おせち料理の具材の意味
黒豆や数の子以外にも、おせち料理には縁起のよい意味を持つ料理がたくさんあります。

① 伊達巻|勉強や知識が身につきますように
『伊達巻』は、巻物のような形をしています。
昔の書物は巻物になっていたため、学問や知識が増えることを願う料理とされています。
子どもには「いろいろなことを楽しく学べますように、という願いだよ」と説明できます。
② 昆布巻き|よろこびの多い一年になりますように
『昆布』は「よろこぶ」という言葉に通じることから、喜びや幸せを願う縁起物とされています。
「今年も楽しいことやうれしいことがたくさんありますように」という願いを込めて食べられています。
③ 紅白かまぼこ|おめでたい一年になりますように
『紅白』は昔からお祝いの場で使われてきた色です。
赤には魔除け、白には清らかさという意味があるとされ、お正月を祝う料理として使われています。
また、半円形のかまぼこは初日の出に似ていることから、新しい年の始まりにふさわしい料理ともいわれています。
④ れんこん|先のことまで見通せますように
『れんこん』にはたくさんの穴があいており、向こう側まで見ることができます。
そのため、「将来の見通しがよくなりますように」という願いが込められています。
子どもには「これから先もよいことが見えるように、という意味だよ」と伝えると理解しやすいでしょう。
⑤ たたきごぼう|しっかり根を張って暮らせますように
『ごぼう』は地面の中に深く根を伸ばす野菜です。
その姿から、家族や仕事などの基盤がしっかりと根付き、安定した暮らしが続くようにという願いが込められています。
5. 煮しめに入っている野菜にも意味がある
おせち料理の定番である「煮しめ」に使われる野菜にも、それぞれ縁起のよい意味があります。

① 里芋|子どもや孫に恵まれますように
『里芋』は、一つの親芋からたくさんの子芋や孫芋が育ちます。
そのため、数の子と同じように子孫繁栄を願う食べ物とされています。
② くわい|大きく成長できますように
『くわい』は、丸い部分から大きな芽が伸びる野菜です。
「芽が出る」という言葉から、出世や成功、成長を願う縁起物とされています。
③ たけのこ|すくすく成長できますように
『たけのこ』は成長が早く、まっすぐ上へ伸びていきます。
そのため、子どもの健やかな成長や立身出世を願う食べ物とされています。
6. おせち料理を食べるときに子どもへ伝えたいこと
おせち料理の意味を全部覚える必要はありません。
大切なのは、お正月の食卓をきっかけに、日本の行事や昔から続く願いについて家族で話すことです。
① 「これは何のお願い?」とクイズにしてみる
おせち料理を食べながら、具材の意味をクイズにしてみるのもおすすめです。
- 黒豆はどんなお願いが入っている?
- れんこんに穴があいているのは何に見立てている?
- えびはどうして長生きの意味があるの?
難しい説明よりも、実際の料理を見ながら話すことで、子どもも楽しく覚えられます。
② 苦手な料理を無理に食べさせなくてもよい
おせち料理には、子どもにとって食べ慣れない料理もあります。
伝統的な意味を知ることは大切ですが、苦手な料理を無理に食べさせる必要はありません。
「こんな意味があるんだよ」と話すだけでも、季節の行事を知るきっかけになります。
7. おせち料理と一緒に知っておきたいお正月の食文化
お正月には、おせち料理以外にも昔から続く食文化があります。それぞれの意味を知ると、お正月をさらに楽しめます。
① 祝い箸を使う意味
おせち料理を食べるときには、「祝い箸」と呼ばれる両端が細くなった箸を使うことがあります。
一方の端を人が使い、もう一方の端を神様が使うという考えから、神様と一緒に食事をいただくという意味があるとされています。
② お雑煮も地域によって違う
お正月に食べる『お雑煮』も、日本各地で味付けや具材が大きく異なります。
しょうゆ味やみそ味、丸餅や角餅などさまざまです。家庭のお雑煮について、子どもと一緒に「どうしてこの味なのかな?」と話してみるのも楽しいでしょう。
8. おせち料理についてよくある質問
最後に、おせち料理について子どもから聞かれやすい疑問をまとめました。
① おせち料理はいつ食べるの?
一般的には元日から三が日に食べますが、地域や家庭によっては大晦日の夜から食べることもあります。
家庭ごとの習慣に合わせて楽しんで問題ありません。
② おせち料理は全部食べないといけないの?
全部食べる必要はありません。
地域や家庭によって入れる料理も違います。好きな料理や家族が食べやすい料理を取り入れながら、お正月を楽しみましょう。
③ おせち料理はなぜ甘い味付けが多いの?
昔は冷蔵庫がなかったため、砂糖や塩、酢などを使って比較的保存しやすい味付けにする工夫が行われていました。
そのため、甘めや濃いめの味付けの料理が多くあります。
④ 洋風のおせちでも大丈夫?
もちろん大丈夫です。
最近ではローストビーフやテリーヌなどを入れた洋風おせちや、中華風のおせちもあります。
伝統料理を少し取り入れながら、家族が楽しめる内容にするのもよいでしょう。
⑤ 子どもにおせち料理の意味を簡単に説明するには?
「おせちには、家族が元気で幸せに一年を過ごせますように、というお願いが入っているんだよ」と伝えるとわかりやすいでしょう。
さらに、黒豆なら「元気に」、えびなら「長生き」、栗きんとんなら「豊かに」など、一つずつ短い言葉で説明すると子どもも覚えやすくなります。
9. まとめ|おせち料理の意味を知って家族でお正月を楽しもう
『おせち料理』は、新しい年を祝い、家族の健康や幸せを願って食べる日本のお正月料理です。
黒豆には健康、数の子には子孫繁栄、栗きんとんには豊かさ、えびには長寿など、それぞれの具材に昔から大切にされてきた願いが込められています。
また、重箱にも「幸せが重なりますように」という意味があります。
すべての料理をそろえたり、意味を覚えたりする必要はありません。
お正月には子どもと一緒に「これはどんなお願いが込められているのかな?」と話しながら食べてみましょう。
料理に込められた意味を知ることで、毎年のおせち料理がより身近になり、日本のお正月文化を家族で楽しく受け継ぐきっかけになります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。