『副業なら警備員がいいよ』
私がサラリーマンを辞めて独立したときに、副業として警備員をしていた。
独立してすぐは収入が少なく、週に2,3日、しかもこちらの希望の曜日で働ける副業を探していた。
副業なら警備員がいいよと、知人のおすすめもあり、ネットで検索。
確かに、警備員であれば自分の希望でシフトが組め、ある程度の収入を得ることが出来そうなことが分かった。
警備員は、工事現場や商業ビル、病院でよく見かけるが、自分が制服を来て、警備員として働く姿はイメージ出来なかった。
正直、警備員はあまり良い印象もないので、悩んだ。
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背に腹は代えられず、仕方なく働くことに決めた。
が、気が付けば3年程働いていた。
3年程働いて、意外と色んなことを学ばせてもらった。また警備員の印象も変わった。
この【副業でおすすめの警備員の具体的な仕事が理解できる】の記事は、副業を考えている人に、おすすめの警備員の業務及び新任研修、日々の具体的な仕事内容について、ご紹介させていただきます。
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1.警備員の業務
まずは警備員の業務ですが、大きく分けて4種類ある。
① 1号業務:施設警備業務 ② 2号業務:雑踏警備業務 ③ 3号業務:運搬警備業務 ④ 4号業務:身辺警護業務 |
それぞれ簡単にご説明します。
① 1号業務:施設警備業務
これは商業ビルや病院等の防災センターでカメラ監視、通用口で入館管理、立哨(一定時間同じ場所に立って警備に当たること)や巡回(一定時間歩いて警備に当たること)することが主な業務。
基本的には、防災センター⇒立哨⇒巡回をそれぞれ交代する感じです。現場によっては、立哨だけや巡回だけの現場もある。
大手警備会社の機械警備(対象の建物等を機器装置などを使用し、人の侵入やATMの異常を受信し、警備・警戒にすることが主な業務)も1号業務に該当する。
② 2号業務:雑踏警備業務
雑踏警備は、工事現場で工事車両や通行人などを安全に誘導することが主な業務。屋外での業務が多く、天候に左右されやすい。夏の暑さ、冬の寒さをモロに受けるので、私的にはNG。
ただ、雑踏警備は現場が早く終われば終わった時点で帰れる。その場合も決まった金額は貰えるので、雑踏警備を希望する人も多い。
③ 3号業務:運搬警備業務
運搬警備は、現金輸送を行う際、強盗等の被害に合わないように警戒することが主な業務。
過去には運搬警備の警備員が、輸送した現金を盗んだことがあったらしい。
④ 4号業務:身辺警護業務
対象人物の周辺で起きる危機の発生を、身近で警護することが主な業務。
”ボディーガード”と呼ばれるものが、まさに身辺警護に当たる。
最近、木村拓哉さんがドラマでボディーガード役をやってました。ちょっとカッコよ過ぎかな。
因みに、『SP』と呼ばれる業務もあるが、『SP』は警察官が行う業務。
以上の4種類が警備員の業務である。
私は天候に左右される外での勤務が嫌だったので、1号警備いわゆる施設警備業務を選んだ。
次は、1号業務いわゆる施設警備業務でどんな研修をしたか、具体的にお話します。
2.警備員の新任研修
警備員として働くためには、研修を受けなければなりません。
面倒くせーと思ってもダメ。
1日や1週間の短期間であっても、どこの警備会社であっても必要です。
『新任研修』と呼ばれるもので、警備業法で30時間以上(基本教育15時間以上、業務別教育15時間以上)の研修を受けるよう決められている。
施設警備に就くものは施設警備の研修を、雑踏警備に就くものは雑踏警備の研修を、各業務でそれぞれの研修を受けることになっている。
私は施設警備を選んだので、施設警備業務の『新任研修』を受けた。
『新任研修』の内容は、警備員になるために必要な知識の習得や技能の訓練である。
必要な知識の習得とは、警備業法や敬礼の仕方、身なりや立ち振る舞いを学ぶ。
例えば、警備員は制帽を被るので、挨拶はおじき(頭を下げる)ではなく、敬礼になるなど。
技能の訓練は、消火器及び消火栓の使い方、心肺蘇生やAEDの使い方を訓練する。
警備員は火災が発生したら初期消火活動を行い、傷病者を発見し必要があれば心肺蘇生をする等、人の命を救う大事な仕事。
制服を着ている以上、逃れられない。ここはしっかり訓練しよう。
・警備員は何の権限もない
新任研修の時に分かったことだが、警備員は、何の権限もない!
警備員は所詮、民間企業のサラリーマン!当然と言えば当然。
警察のような強制力はもちろんのこと、取り調べ行為もダメ。
もしも取り調べ行為でもしようものなら、警備員が逮捕罪や監禁罪で罰せられる可能性もある。気をつけよう。
捕まえることが許されているのは、現行犯及び準現行犯だけ。
取調べは出来ないので、速やかに警察に通報すること。
でも現行犯、準現行犯って結構怖くない!?
中には勘違いしている警備員もいる。制服を着ているせいか何か偉そうにして、上から目線でものを言う。
警備員は嫌われていると感じる時があるが、こういう警備員がいるからだと思っている。
我々は笑顔で、相手に対してお願いするのみ!
相手は制服を着ているせいか、比較的言うこと聞いてくれることが多い。
新任研修の時、講師の人に『警備業は、サービス業だよ。』と言われたことが、今でも印象に残っている。
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3.警備員の具体的な仕事
施設警備員の主な仕事は、防災センター勤務と立哨及び巡回である。
① 防災センター勤務
防災センター勤務者は、警備員の司令塔となる重要な役目。
警備する商業施設や病院の全てのことを把握して、初めて防災センターの勤務に就ける。
防災センターにいると、色々なことが起こる。
例えば、火災報知機が鳴るときがある。その時は、防災センター勤務者が中心となり、各ポジションに指示を出し対応に当たる。
大抵の場合、誤報である。が、火災を想定して任務に当たらなければならない。
誤報と判明するまで、結構ドキドキです。
また傷病者が出れば、各ポジションの警備員に指示を出し、救急対応に当たる。
救急車両が到着したら救急隊を現地まで誘導させる。
施設管理者に報告するため、傷病者の様態を確認させ、救急隊がどこの救急隊で、隊長は誰で、どこの病院に搬送するかなど、聞き取りを実施させる。
救急対応でエレベーターを使用するときは、エレベーターを消防運転に切り替え、一時運転で現地の最寄階まで操作させる。
救急対応が終ったら、施設管理者に報告するため、報告書を作成するなど大忙し。
防災センターに勤務する警備員は司令塔、責任重大である。
② 立哨及び巡回
立哨及び巡回では、不審者や不審物などがないか意識しながら業務に当たる。
発見したら、すぐに防災センターに報告し指示を受ける。
立哨は、一定期間同じ場所で立って警備に当たるので、飽き性の私には辛いポジションであった。
立哨中、不審者を見かけたら防災センターへ報告し、必要があれば声を掛ける。
もちろん、『不審者ですか?』とは聞かず、『何かお困りですか?』とか『どちらかお探しですか?』と声を掛けることになる。
昼間の巡回中は、良く道を聞かれる。ビル館内のことはもちろん、周辺の駅やホテルなど。
外国人に尋ねられることもあるので、英会話も多少勉強した。
また深夜の巡回では、泥酔者などが階段や敷地内で寝ていることを発見することがある。
この場合も、防災センターへ報告し声掛けを実施するが、気を付けなければならないことがある。
それは泥酔者なので暴れる可能性も考え、対象者との距離を取り声掛けする。もしくは安全を考え数人で対応する。
本当に暴れたり、こちらの言うことを聞いてもらえない場合は、警察へ通報する。
私は接客業を経験しているので、それほど苦にならなかったが、接客が苦手な警備員も多い。
警備員は体を張って頑張っているが、どんな印象を持たれているのだろう?
4.警備員って、どんな印象?
皆さんに質問です。警備員って、どんな印象ですか?
良い印象をお持ちの方は、CMなどご覧になっている大手警備会社。
大手警備会社は機械警備がメインで、柔道やレスリングなどのアスリートが所属し、活躍することでイメージが良いのでしょう。
普段、町の中であまり目にすることはないでしょう。
印象の良くない方は、無愛想、怖い、汚い、だらしない、色が黒い、キツイそうなどの印象をお持ちではないでしょうか。
つまり、印象は悪い。
私もはじめ、良い印象ではなかった。
実際に3年ほど警備員として働きましたが、私の中の印象はかなり変わりました。
どう変わったか?
イメージUP!
世の中に誤解されていると思いました。
警備員を街中で見かけるのは、工事現場などで歩行者を誘導したり、工事車両を誘導したりしている姿。または私が就いたように商業ビルや病院などで、立哨や巡回をしている姿でしょう。
私の警備員に対する印象は、キツイ、汚い、年配の方(定年された方)が多い、なかなか就職先が見つからない人が多い等々。
先程言いましたが、正直、あまり良い印象ではなかった。
確かに印象通りの方もいたし、私のように副業の方もいた。意外だったのが、10代や20代も結構いたこと。
因みに、私は40代ですが、副業をするにしても難しく、警備員なら大丈夫だろうというのが正直なところ。
私が10代や20代のとき、警備員の仕事をすることなど全く頭になかった。
ほかにも色々とあるだろうと思うので、10代や20代の若者がいることにビックリ!
皆さんが警備員に対して持っているあまり良くないイメージは、どうしてだと思いますか。
働いてその答えがわかりました!
それは、身なり、制服や装備、歩く姿勢、立ち振る舞いです。
私が働いた警備会社が、制服や装備、歩く姿勢、立ち振る舞いに厳しかった。
当初は理由がわからなかった。なんでこんなに厳しいのだろうと疑問だった。
が、3年間働いて、よくわかった。
身なり、制服や装備、歩く姿勢、立ち振る舞いが悪いと、ビルで働く職員の方々、一般の来館者に対して頼りない警備員という印象を与え、ビルの警備に不安を抱かせる。
警備は事が起こってから対応することも大事だが、もっと大事なことは事を起こさせないようにすることが大事。
それは”抑止力”と呼ばれるもの。
抑止力とは?ネットで検索すると、『思いを留まらせる力』『活動を止めさせる力』とある。
具体的に言うと、商業ビルで犯罪を企んでいる人が立哨者や巡回者を見て、このビルでは止めておこうと犯罪を断念させることだと思う。
身なり、制服、装備がだらしなく、歩く姿勢、立ち振る舞いがカッコ悪いとどうでしょう?
ビル自体の警備も同じようにスキがあると思われてしまい、抑止力どころか、警備員が犯罪を促す形になってしまうはず。
大げさかもしれないが、それほど身なり、制服や装備、歩く姿勢、立ち振る舞いは重要!ということが働いてよくわかった。
警備員になったら、ビルで働く職員の方々、一般の来館者に対し、安心感を与えるためにも、また犯罪を防ぐためにも、是非、身なり、制服や装備、歩く姿勢、立ち振る舞いはちゃんとしましょう。
5.まとめ
警備員の業務及び新任研修、具体的な仕事の内容は、分かりましたか?
また警備員の印象は変わりましたか?
警備員の仕事が思ったり大変そうなので、警備員の仕事は遠慮する人がいるかもしれませんね。
でもそのほうが良いでしょう。
思ったり大変で、やる事、覚えることも多い。正直、給料も安いし、地位も低い。
でも世の中に安心を与える、やりがいのある仕事だと、私は考えます。
警備員をやるからには良く考えて、覚悟を決めてから始めてください。
2020年は東京オリンピック。
警備員が不足していると言われているので、需要が増えることは間違いない。待遇面の改善も期待できるので、本業として検討しても良いのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、有難うございました。
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