『あ~むずかしい~。うまく描けないよ~。』
これは、念願の注文住宅のため、やっと土地を購入し、自分でこだわりたい間取りを描こうとチャレンジした人の言葉。
念願の注文住宅なので、あれもこれも間取りに反映したい、なんとか自分で間取りを考えてみたい、こんな気持ちになるのでしょう。
間取りなんて簡単だから、自分で考えて建築会社に持って行けばいいや~、なんて思ってもそう簡単にはいきません。
いくら自分の土地に注文住宅を建てるとしても、好きなように建てられるわけではないのです。その土地で決まっている法律に沿って、また建物は建築基準法に沿って建てなければなりません。
では、注文住宅で自分たちの希望する間取りを建てるためには、どうすれば良いのでしょうか。
まずは建築会社を決めます。そして、打ち合せに登場する建築士に自分の希望を伝えて、代わりに間取りを描いてもらうのです。
では、その建築士がどんな人で、何が出来るか紹介します。
<スポンサーリンク>
1.建築士はどんな人?
注文住宅で家を建てるとき、ハウスメーカー、地元の工務店、設計事務所、3つのうちのどれかにお願いすることになります。
そして、どこにお願いしても間取りの打ち合せには建築士が登場する。
建築士は、国から資格を与えられ、建築基準法等の関連法規に精通しており、数多くの経験と、間取りを描く技術がある。設計のプロである。
その建築士には種類があり、『一級建築士』、『二級建築士』、『木造建築士』と分かれていて、それぞれの資格により設計や工事監理できる建築物が変わってくるのです。
①一級建築士
一級建築士は、国土交通大臣の免許を持ち、鉄筋コンクリート造等の高度で複雑な建築物を含む、全ての建築物の設計や工事監理が可能です。
例えば、延べ面積500㎡を超える学校や映画館、木造の建築物ですと高さが13mまたは軒の高さが9mを超えるものが可能です。
②二級建築士
二級建築士は、都道府県知事の免許を持ち、木造住宅や小規模な鉄筋コンクリート造等の建築物の設計や工事監理が可能です。
例えば、延べ面積500㎡未満の学校や映画館、木造の建築物ですと高さが13mまたは軒の高さが9mを超えないものが可能です。
③木造建築士
木造建築士は、都道府県知事の免許を持ち、延べ面積300㎡以内、かつ2階以下の木造の建築物の設計や工事監理が可能です。
④管理建築士
因みに、管理建築士と呼ばれる建築士もいる。
管理建築士は建築士事務所を管理する建築士で、3年以上の建築物の設計や工事監理の実務経験を経た後、管理建築士講習を修了する必要がある。
一級建築士事務所には一級建築士、二級建築士事務所には二級建築士が専任の管理建築士となり、複数の建築士事務所を兼任することは出来ません。
建築会社を決めた後、あなたと打ち合せする建築士は、7~8割が一級建築士で残りの2割~3割が二級建築士になるでしょう。
お客様に安心感を与えるため、上級の建築士が打合せに登場してきます。
それでは、建築士との打合せには何が必要かお話します。
2.建築士との打ち合せ
建築士と間取り等の打ち合せをするときは、自分たちの家族構成や土地の情報、家に対するこだわりを箇条書きでも良いので考えておきましょう。
そのこだわりたい優先順位とそれぞれの理由も答えられるようにしておくと、ベストです。
そのこだわりを確認した建築士が、優先順位とそれぞれの理由を確認します。
優先順位を確認するのは物理的に難しい場合、どのこだわりを優先的に間取りを描くか確認するためです。
そして、それぞれの理由を確認するのは、必要な部屋の大きさや使い勝手の良い動線を提案するためです。
例えは、こだわりの中に、『1階にLDKとは別に1部屋ほしい』とあったとします。何のためにどのように使うかを確認して、初めて大きさや動線等の提案が出来るようになるからです。
どういう事かというと、『1階にLDKとは別に1部屋ほしい』とあっても、下記の2つの場合で提案が異なります。
① 小さいお子さんがいるご家族の場合
子供を遊ばせたり、お昼寝をさせる為、キッチンやリビングから目が届く位置に洋室もしくは和室を提案するでしょう。
子供が成長すれば、パントリー(食品庫)や家事室、書斎にもリフォームできる便利なスペースとなります。
②将来的に両親を住まわせることを検討しているご家族の場合
和室6.0帖に廊下から入れるように出入口を設計し、LDKの音が聞こえにくい提案をするでしょう。
このように、家族構成や希望条件で部屋の大きさや動線の提案が異なってきます。
打ち合せの前に、家族でこだわりたいところ、優先順位、それぞれの理由をしっかり検討することが、家造りを成功させるためにとても重要な作業になります。
最後に、打ち合せをするときに、気をつけてほしいことお話します。
3.打ち合せのときに気をつけること
建築士と初めて打ち合せをするときは、多少緊張するでしょう。建築士もどんなお客様か同じように緊張するはずです。
自分と打ち合せしたお客様に、こだわりたいところを含んだ間取りを提案できたか、提案した間取りをお客様が気に入ってくれたか、とても不安な気持ちです。
たまにいるのが、自分の提案を一番と思い、お客様の希望をあまり聞こうとしない建築士です。
こんな建築士には、気をつけてくださいね。
建築士の中には、お客様の家なのに自分の作品の一つと思っていて、この土地にはこういう間取りが一番良いと思い込んでいる建築士がいます。
作品の一つと思って、一生懸命間取りを考えて頂くことはとても有難いこと。
でも、お客様のこだわりがあっての間取り、お客様が喜んでくれないことには、自己満足でしかない。
残念ながらこんな建築士が出てきたら、建築会社に言って、建築士を変更して頂くか、建築会社を変更しましょう。ひょっとした建築会社の考えがそうかもしれませんので。
良い建築士は、一緒に考えてくれる建築士です。
お客様の希望に沿って、提案し、更に良い提案をしてくれる建築士やお客様のこだわりが法律的、物理的にできなければ、その旨ちゃんと説明してくれる建築士と打ち合せできれば、こだわりの間取りができるでしょう。
念願の注文住宅。自分たちのこだわりたい間取りで家を建ててください。
後悔しない注文住宅を建てれることを願ってます。
最後までお読み頂き、有難うございました。
<スポンサーリンク>