『やった~!念願のマイホームだ~!』~第2話~
前回までのあらすじ。
K氏家族は念願のマイホーム購入に向け、1ヶ月間、情報収集と夫婦での希望条件の話し合いに費やした。
不動産業者を2件に絞り、初めて物件を見学に行った。
物件を見学に行って、希望条件を見直し、また物件を見学に行く。
良い物件が見つかり、申込みをしようとしたら、思わぬ出来事が。
第2話は、地元の不動産業者『A不動産』のSさんと物件の見学に行くところから始まります。
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1.A不動産のSさんから連絡が・・・
A不動産のSさんから、これから出る物件の紹介があった。
週末、A不動産を訪問すると、特にお出迎えはなかった。
キッズルームがなかったので、子供たちは不満の様子。
A不動産は駅前にあり、物件はA不動産から皆で歩いていくことに。
おかげで駅からの環境を確認でき、実際に歩くことの重要性がわかった。
現地に着くと、まだ広い土地があるだけだった。これから工事をして8棟ほどの現場になるとのこと。
先週の建売住宅を見たときと違い、環境の確認は出来たが、イメージが出来ないので、判断が難しい。
ほかにも物件を紹介されたが、先日見学した新築建売物件と同じ物件だった。
1件中古住宅を案内され、すぐ近くということで見学に行った。
築10年の中古住宅で、駅から徒歩7分の4LDK。価格は、2,700万円と新築住宅に比べて魅力的。しかも駅近。
売却する理由は、転勤でいつ戻れるか分からないからとのこと。
妻が希望の対面キッチンではなく、浴室の交換、外壁の塗替え、壁紙の貼替えなどが必要そう。
Sさんの話だと、おそらくリフォームに300~400万円くらい掛かるだろうと言われ、一応検討することにして家に帰った。
家に帰り、妻と話し合った。1件目の意見は同じ。イメージが湧かない。場所は魅力的だが・・・。
2件目の中古住宅は、リフォームの価格を含めると約3,100万円になる。それであれば、新築建売住宅のほうが良いのではということで、今後は新築建売住宅一本に絞った。
2.BホームのTさんからメールが届く
メールの内容は、希望の駅から2つ先の駅だが、駅から徒歩14分の4LDK。
写真を見ると、妻の希望の白い外観だったため、気に入った様子。
週末、Bホームを訪れると、今日もTさんとお姉さんがお出迎えしてくれた。子供たちも喜んでキッズルームへ。
メールで送ってくれた物件と別の物件2件を見学することに。今日も子供たちはお留守番。お姉さんにお願いして、物件を見学に出発。
妻は少し興奮している様子。現場に着くなり、興奮が増した。
外観はまさに妻の希望のまま。中に入ると、これまた妻の希望の対面キッチン、LDKは私の希望の18帖、隣に和室6帖。私も気に入った。しかも駅から徒歩14分の4LDK。
ただし、予算より200万円オーバーで、1棟の建売住宅だった。
2件目の物件に移動。こちらも悪くなかった。駅から徒歩16分の4LDK。
こちらは予算より100万円オーバー。1件目ほどではないが、妻は外観もそれなりに気に入っていた。間取りは対面キッチンでLDK18帖、和室4.5帖。6棟の建売住宅だった。
3件目を見てから戻った。子供たちはまだDVDに集中しており、僕と妻が帰って来たことに気付かなかった。
Tさんには、1件目と2件目の物件を検討いたいと伝え、家に帰る。
帰り際にTさんが言った言葉が気になった。
『K様が気に入った物件は、ほかの方も気に入っていると思うので、決まったら早くご連絡ください。』
3.実際に駅から歩いてみた
A不動産のSさんと見学に行ったとき、実際に駅から歩くことの重要性がわかったため、2つの物件を駅から歩いてみた。
1件目の物件は、駅から大きな街道を渡り、しばらくすると道が暗かった。
小・中学校共に徒歩10分くらいの距離にあり、買い物は駅前のスーパーがあるので問題なかった。
物件の周辺は静かだが、1棟だけの新築住宅のため、新参者になる不安は残った。
2件目の物件は、1件目と同様、大きな街道を渡り、しばらく川沿いを歩く。川沿いには街灯があり、意外と明るい。
小・中学校は1件目より近い。買い物は駅前のスーパーがあるので問題ない。
環境は2件目のほうが良かった。
家に帰り、子供たちを寝かせ、妻と話し合った。
妻は1件目、僕は2件目と意見が分かれた。
最初に夫婦で話し合った時に、優先順位の1番目は子供たちのことを考え、環境と決めていた。
が、妻は外観が余程気に入ったらしく、1件目にしてほしいとお願いされた。
予算は200万円オーバーだが、2件目にくらべると駅から少しだが近く、広い。
道は多少暗く、1棟の建売住宅という不安はあるが、家族が一緒なら何とかかるだろう。
我々は、妻の希望の1件目に決めた。
4.購入申込み
翌日、BホームのTさんに、1件目に決めたことを連絡した。
そして、1時間後にBホームに行くことに。
Tさんから、印鑑、健康保険証、運転免許証、源泉徴収票も一緒に持参してくださいと言われた。
訪問するといつも通り、Tさんとお姉さんがお出迎えしてくれたが、Tさんの様子がいつもと違うことが気になった。
席について待っていると、奥からTさんが現れ、我々の前にゆっくりと座った。
開口一番『残念ですが、1件目の物件は昨日、申込みが入ってしまいました。』と言われた。
良く理解が出来なかったので、聞き直すと詳しく説明してくれた。
『不動産の購入は早い者勝ちです。しかも、申込んだ方は現金でご購入されるそうです。そうなると、その方で契約を進められるでしょう。』
『・・・・・・・・』
『そうですか。』とかろうじて返事をした。それ以外言葉が出ない。
私より1件目の物件に対して、思い入れの強かった妻は相当ショックなはず。
『・・・・Kさん!?』とTさんに呼ばれ、我に返る。
『2件目の物件で申込みしませんか。』とTさんより提案を受ける。
妻は俯いたまま何も考えられない様子。
今回のことがないように、購入申込み書に記入だけして、一旦帰宅し、妻と相談することに。
また決めたら、すぐに住宅ローンの事前審査が出来るように、事前審査申込書の記入と、運転免許証等もコピーを取っていただいた。
住宅探しを始めてから、ちょうど2ヶ月目の出来事だった。
残念ながら、1件目の物件の購入は難しそうだ。2件目の物件をどうするか。
妻はショックから立ち直れるのか。
不動産の購入は、早い者勝ち。自分の気に入った物件はほかの人の気に入っていることが多い。
意外と今回のようなケースは、実際に起こります。
次は第3話。K氏家族の2件目の物件を検討するところから始まります。
最後までお読み頂き、有難うございました。
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